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23 September 2009

アバドのマーラー in 北京

聴いてきましたよ!
「ルツェルン・フェスティバル in 北京 2009」でめちゃめちゃエキサイティングなアバドのマーラーをhappy02。本当に凄い演奏だったので1番はしばらく聴くことはできそうにないっす・・・。

昨年のイタリア旅行記は、完全な旅行日記にしてしまったため、肝心なコンサートの感想にたどり着くまでにダラダラと余計なことまで書いてしまいましたが、今回は興奮覚めやらぬうちに演奏会の感想を先に書いてしまおうと思います。

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聴いてきたのは、9/20と21のフェスティバル前半のプログラムですが、やはり初日に受けた衝撃のほうが大きかったので20日の演奏会をベースに書いていきます。

プロコフィエフ: ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 op.26
マーラー: 交響曲第1番 ニ長調「巨人」

ユジャ・ワン(ピアノ)

ルツェルン祝祭管弦楽団
指揮:クラウディオ・アバド

(2009年9月20日、21日 / 国家大劇院、北京)

Lucerne_beijing1 Lucerne_beijing2

国家大劇院は、大きな池の真ん中に巨大なUFOを思わせるかのようなドーム型の建物が特徴的ななかなかユニークなホールです。

入り口付近はちょうど2006年の東京の時のようにルツェルン・フェスティバルのムード一色でした。

席は2日間とも1階6列目のド真ん中。アバドの真後ろだったため指揮中の表情がよく見えなかったのは残念ですが、1階席前方でありながらも客席がいい具合にせり上がっていたので、高さ的には金管と同じくらいになり、弦のppの美しさも十分堪能できたので、ある意味最高の席だったかもしれません。

コンマスはマーラー室内管のコンサートマスターでもあるGregory Ahss(ちなみに4番のほうのコンマスはブラッヒャー)、クリストやヴェストファール、ズーン、フリードリッヒなどお馴染みの顔ぶれももちろんいましたが、ほとんどがマーラー室内管のメンバーで固められている印象でした。
コントラバス・ソロはアロイス・ポッシュ、オーボエはルーカス・マチアス・ナヴァロ。

アバドがユジャ・ワンと共にステージに姿を現すと、もの凄い大歓声が上がりました。最初は故郷に錦を飾るユジャ・ワンへの歓声かと思いましたが、どうやら長年待ちかねていたマエストロへの歓声のようです。

プロコフィエフのピアノコンチェルトが歯切れよく始まります。
小柄で細身ながらもエネルギッシュなユジャ・ワンの的確で鋭いタッチは、演奏をさらに小気味よいものにしてくれました。
アバドは指揮棒なしでしたが、時折ピアノのほうを振り向いては確認しながら、とてもキレのいい指揮でオケをぐんぐん引っ張る感じが爽快でした。
うーん、アバドの指揮で聴くコンチェルトはいつも素晴らしいですね。

ユジャ・ワンは鳴り止まない拍手に応えて、2日ともアンコールを2曲弾いてくれました。
20日のアンコールはストラヴィンスキーのペトルーシュカからロシアの踊りとスカルラッティのソナタ(たぶん^^;)。
21日はグルックの精霊の踊りからメロディと・・・もう1曲は何だろう?メンデルスゾーンのようでもありシューマンのようでもありました。グルックは素晴らしく、舞台上のオケのメンバーの中にも頭をたれて静かに聴き入っている人が何人もいました。

休憩の後はいよいよマーラーです。
アバドが登場すると、1曲目よりもさらに大きな歓声があがりました。オケの中にはあまりの歓声の凄さに思わず笑ってしまう人もいて、アバドもビックリした目で客席をキョロキョロ見るようなあのお得意の表情をしていたので私も思わず笑ってしまいました。

そんな大歓声に迎えられて始まった演奏は、これまで聴いたアバドのマーラーの中でも "今までこれほどエキサイティングな演奏があっただろうか?" と言いたくなるほど熱くエネルギッシュかつパワー全開のマーラーでした。

1楽章冒頭のホルンの不調もその後のスカッとするような快演ですぐに帳消しとなり、楽章が進むにつれてオケのテンションがぐんぐん上がってくるのが手に取るようにわかりました。
嬉々として体全体で表現している若手と一緒になってベテランの名手たちも顔を真っ赤にしてありったけの情熱を傾けて演奏する姿は実に感動的です。やっぱルツェルン管のようなオケはほかにない!と改めて思いました。

ppの弦の表情の美しさにも何度身震いしたことか。
2楽章のトリオもムード満点。
4楽章。管楽器群のパワーが炸裂した冒頭の激しいフィナーレも凄まじいものでしたが、その後に続く第2主題には泣けました。アバドの演奏で大好きになった部分なので、そんな思い入れも手伝ってこの時の気分は早くもクライマックスに達していました。

最後のホルンのスタンドプレイを含む熱狂的な盛り上がりは、8月のルツェルンでの演奏をARTE TVで見ていて既に知っていたとはいえ、やっぱりライブの迫力は格別です。
とても76歳とは思えないアバドの全身全霊の指揮に応えるオケの気迫が結集して曲は終わりました。

ホールはたちまちスタンディングオベーションとなり拍手喝采の熱狂の渦に包まれました。大きな歓声に指笛・・・観客のこれほどまでに熱い賞賛を今まで見たことがありません。
"この熱いパワーがアバドを北京へ呼んだのだ!"  悔しいけど一瞬そんな思いが頭をかすめました。

意外にも日本人はあまり見かけず、中国人と白人(仕事で香港あたりに住んでいる人なんでしょうか?)がほとんどでした。

21日の観客は20日ほどではないものの、やはりすごい熱気を感じました。

北京でアバドのマーラーを聴くなんて考えてもいませんでしたが、結果的に "聴きに来てよかった~!" と心から満足しています。ガソリンも満タンになりましたlovely

そして・・・アバド&ルツェルン管のマーラーは最高ですshine

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Comments

おはようございます。
拝読していて、こちらも興奮、IN港区でございますよ!!
すげぇ演奏だったのですね。
中華パワーは、大人しい日本人の比じゃないのですな。

そして、あれから3年、素晴らしいマーラーが聴けてホントによかったですね。
今後、中国も日本と並んで、音楽の大消費国になりそう。
日本を通り越して、中国ばかり、ということにならなくてはよいのですが。

食のレポートも期待しておりますよん。
当方、食いしん坊ゆえ(笑)

Posted by: JUNじ | 24 September 2009 at 10:45

JUNじさん、私の興奮が少しでも伝わったならとっても嬉しいですhappy01

>日本を通り越して、中国ばかり、ということにならなくてはよいのですが。

それですよ!本当にそうなってしまわぬように、我々も熱い情熱でまたアバドを日本に呼びましょう!!!

Posted by: ゆうこ | 25 September 2009 at 00:55

FBでメッセージさせていただきました石川と申します。
私もこの公演のチケットをカジモト経由で購入し、初日の公演を聞きました。当時のアバドは健康そうで北京まで行って聞いた甲斐がありましたが、何よりも驚いたのが1曲目にユジャ・ワンが登場した際の中国人観客の反応。アバドもその歓声と言うか会場内全体が歓声と拍手によって揺れ動いたような感覚(もっと上手い表現があると思いますが、すみません・・・)に驚いていましたが、あんな集団にデモされたらたまったもんじゃないなぁと思った次第です。
演奏は、ワンのプロコフィエフも冴え渡っていましたが、やはりマーラーの1番が素晴らしかったですねぇ。ベルリンのフィルハーモニーでヤンソンス指揮BPOで同曲を聞いた時以上の完成度と興奮度で、他を圧倒する演奏だったのではないでしょうか?この演奏以来、同じ感想を抱く演奏は体験してません。ルツェルンでは未だ8番をやってませんね。プログラミングされても何故か変更になったりで、何か理由があるんでしょうか?ベルリンではレコーディングもしているのに。アバドも今年で80歳。もしルツェルンで8番をやるようなら絶対に行くんですが・・・。2013年はブルックナーとエロイカですね。

Posted by: 石川 | 15 January 2013 at 10:42

石川さん、北京では同じ演奏会を聴いていらっしゃったのですね♪
ユジャ・ワンとマエストロが登場した時の、あのホールが轟音をあげるかのような歓声は本当に凄かったですよね^^;。
日本のファンも負けちゃいられません!
あの1番は実演で聴くことができて最高でした。
アバドが8番をやるなら私もどこのオケであれ聴きに行きたいです!

Posted by: ゆうこ | 16 January 2013 at 00:21

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